http://mainichi.jp/life/job/news/20081223ddm001040012000c.htmlhttp://mainichi.jp/life/job/news/20081223ddm002040065000c.html失職列島:/1 年越せぬ、市から1日1000円前借り
【毎日新聞 2008/12/23】
◇大分キヤノン請負解雇「早く対策を」
大分キヤノン(大分県国東市)の大分市内の工場で働いていた請負労働の男性(32)は今月11日、解雇された。契約期間は来年3月下旬まであったが、途中で切られた。工場と道を1本隔てた寮から、ハローワークに通う。
男性は、請負会社、日研総業(東京都)の契約社員。デジタルカメラの心臓部に当たる半導体の生産に携わっていた。時給は1000円。寮は会社が用意したワンルームマンションで1人住まい。寮費4万2000円を除いた手取りの月給は10万円だった。
デジカメの生産は、10月半ばまで活況だったが、作業量はみるみる減った。11月に会社から1カ月先の解雇予告通知を渡された。理由はキヤノンの減産。最後の給料8万円が全財産になった。寮は、ほかの失職者が労働組合を作って会社と交渉し、当面は住めることになった。しかし、「いつまで住み続けられるかわからない」。
大阪府出身の同僚の男性(38)も同じ日に解雇された。かつて一人親方として建築の仕事を請け負っていたが、立ち行かなくなった。借金が膨らみ、10年前に離婚。給料の一部を子どもの養育費として仕送りしていたが、所持金は2000円になった。「働く場所は選んでいられない。どこでもいいが、なかなか見つからない」
2人は解雇翌日、市役所を訪れ、生活保護を申請した。窓口の担当者から「今月中には受給できるかどうか、結果が出るでしょう」と言われたが、「認められてもお金が入るのは来年」。男性(38)は、市から受給を前提に「つなぎ資金」1日1000円を年明けまで前借りする。
2人は「『前例のない経済危機』なら、国や自治体、企業も『前例のない雇用対策』をとってほしい」と口をそろえた。
大分キヤノンの失職者は、請負会社8社で計1100人を超える。親会社キヤノンは「請負会社には減産を伝えただけで、その社員の処遇までは関与し切れない」と一線を画す。日研総業は「就労先の確保に努力したが、限界があった。それ以上はコメントできない」と冷ややかな対応だ。【森禎行】
◇
米国発の金融危機に伴う急激な景気悪化で、企業が大幅な人員削減に踏み切り、職を失う人々があふれている。多くは、派遣や請負労働などの非正規社員。大学生の内定取り消しなども相次ぎ、雇用の基盤は揺らいでいる。厳しい年の瀬を迎えた各地から報告する。
失職列島:/1(その2止) 企業誘致、優等生の大分県 「非正規」バブル崩壊
キヤノンショックに見舞われた大分県は、人口減少と産業停滞に悩む地方の中で、企業誘致の盛んなモデル地域として注目されていた。輸出企業の工場を集積し、雇用を拡大。製造業で働く非正規社員の割合も高水準だった。そこに世界的な不況と円高が直撃した。
「停滞する経済を打破する景気刺激策は、企業誘致」。03年に就任した元経済産業省事務次官の広瀬勝貞知事は、企業誘致を推進した。03年度以降の5年半でダイハツ工業や東芝の新工場など122件を招いた。約1万2000人の雇用を創出したとの試算もある。
しかし、総務省によると、県内の製造業で働く派遣や請負の社員は96年の4649人から06年は1万3355人に達し、全社員に占める割合は5・1%から15・6%に上昇。全国平均の9・6%を大きく上回り、製造業では滋賀県に次いで全国2番目の高さになった。
その代表例が、05年に工場を増設したデジタルカメラ世界首位のキヤノンだった。日本経団連会長を務める御手洗冨士夫会長は地元出身。大分キヤノンの07年度売上高は4425億円と5年連続県内1位。県は、経産省が今年7月発表した企業立地満足度調査で総合1位に。許認可の早さや立地後の支援が、事業所から評価された。
しかし、キヤノンの08年7〜9月期連結決算は、営業利益が前年同期比で約26%減少し12月期決算の9年連続増収増益は絶望的に。御手洗会長は「雇用は守りたいが、理想と現実があまりにかけ離れてしまった。自治体に助けてもらえるなら、ありがたい」と語る。
◇
企業は、不況の深まりとともに人員削減を加速させ、地元自治体は、政府に先駆けて支援に乗り出した。
キヤノンの関連工場がある大分市など大分県内3市は、失職者の臨時職員採用や住宅提供を決めた。トヨタ自動車系の関東自動車工業岩手工場がある岩手県金ケ崎町は30人の臨時職員採用を決めた。世界で1万6000人を削減するソニーの工場が立地する鹿児島県霧島市や栃木県鹿沼市も対策を検討している。
しかし、全国の非正規社員は1732万人(07年)。厚生労働省は、09年3月までに期間満了や途中の雇い止めで3万人が職を失うとの調査結果をまとめた。自治体の対応だけでは力不足だ。
非正規社員を支援する自立生活サポートセンター・もやいの湯浅誠事務局長は「企業は雇用確保の責任を果たすべきだ。国や自治体の住宅なども、年内に利用できるようにするために手続きの簡略化が必要だ。何より雇用保険などセーフティーネット(安全網)を充実していかなければならない」と話す。【川口雅浩、森禎行】
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■ことば
◇非正規社員
雇用期間の定めがない正社員に対し、派遣社員や契約社員など期間が限定された労働者。正社員に比べて昇進や昇給のチャンスも少ない。派遣社員は派遣元と派遣契約を結び、派遣先の指示で働く。04年の規制緩和で製造業にも解禁、急増した。請負社員は、注文主から受注した仕事を請負会社の指示で行い、多くは非正規社員。派遣や請負は、派遣先や注文主と雇用関係はないので、職場のトラブルになりやすい。
テーマ:社会問題 - ジャンル:ニュース
- 2008/12/24(水) 00:07:34|
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労働問題について私が尊敬し、多くを学んでいるブログのひとつ、みどりさんの「労働組合ってなにするところ?」からいただいた、「困った...
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