http://sankei.jp.msn.com/life/education/091104/edc0911041631006-n1.htm【教育動向】知らされてない!? 高校授業料の「減免制度」 【MSN産経新聞 2009/11/05】
世界的な不況や社会格差の拡大などによって、高校授業料の滞納などが増加しています。各都道府県には、公立高校の授業料減免制度や、私立高校授業料への補助制度のほか、奨学金制度などがありますが、保護者や生徒への周知が必ずしも十分でないことが、文部科学省の調査結果からわかりました。
高校中退などの実態を調べた文科省の「問題行動調査」によると、2008(平成20)年度の高校中退者は6万6,226人、全生徒数に対する高校中退者の割合は2.0%でした。中退者数、中退率ともに、2年連続の減少となっています。理由別に見ると、「学校生活・学業不適応」が39.1%、「進路変更」が32.9%、「学業不振」が7.3%、「問題行動等」が5.1%、「家庭の事情」が4.5%などですが、「経済的理由」という者も3.3%(国立0%、公立2.4%、私立5.5%)います。経済的理由による中退者の割合は、前年度よりも0.3ポイント減少していますが、世界的不況が始まったのが昨年秋からだったことを考えると、今年度以降、増加していくことが懸念されます。
このため、文科省は今回初めて、経済的理由による中退者の具体的な状況を、調査項目として追加しました。調査結果(複数回答)によると、経済的理由による中退者がいない国立を除いて、「授業料滞納があった者」は公立が40.3%、私立が61.9%に上っています。しかし、「授業料減免を受けていた者」は公立が35.5%、私立が22.5%、「奨学金の貸与を受けていた者」は公立が6.8%、私立が13.9%でした。
授業料滞納の割合から見ると、授業料減免制度の利用状況はかなり低い、と言ってよいでしょう。理由としては、制度の周知が十分ではなかった、ということが考えられます。文科省は、授業料減免制度の積極的活用を都道府県教育委員会などに求めていますが、必ずしも十分に周知されていないのが実態と言えそうです。
一方、民主党を中心とする連立政権は、2010(平成22)年度から私立を含む高校授業料を、実質的に「無償化」する方針です。無償化が実現すれば、家庭の授業料負担の問題は解決します。
しかし、それで問題がすべてなくなることはないでしょう。教職員組合などの調査によると、高校では授業料以外の私費負担が年々重くなっていくといいます。また、奨学金は現在、返済が必要な「貸与方式」がほとんどで、将来の負担を考えると二の足を踏む保護者や生徒が少なくありません。
中学校卒業者の98%が高校に進学する現在、授業料が実質的に無償化されることになれば、高校はもう「義務教育」と同じだと言えるでしょう。学用品や修学旅行費など授業料以外の私費負担に対する援助制度、返済の必要のない給付型奨学金の充実など、新たな政策が強く求められるところです。同時に、制度があっても周知されていないといった、行政の体質改善も欠かせません。
(提供:Benesse教育情報サイト)
テーマ:社会問題 - ジャンル:ニュース
- 2009/11/06(金) 01:10:13|
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