http://www.toyokeizai.net/life/rec_online/success/detail/AC/4bd88efbd22875692c8b5140820d2cea/「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十三話『就職十戒』 【東洋経済オンライン 2009/11/19】
失敗しない企業の選び方10ポイント
活動前にチェックせよ
就職戦線も、はや過熱ぎみ。各地で合同企業説明会が開催されるなど、大学3年生の就職活動は序盤戦から中盤戦に差し掛かったようだ。しかしながら、その活動には数多くの問題点が生じている。勘違いの連鎖は、間違いだらけの就職活動―ひいては内定先とのミスマッチを起こす原因にもつながる。ここで一度立ち止まり、あなたの活動を冷静に振り返ってみよう。題して「就職十戒」だ。
(1)初任配属先・地、さらには人事異動の仕組みも知ろう
自己分析のうち、あなたの価値観(就職観)チェックは行っているだろうか? 初任配属先とは、入社後の職種を確認することだ。最初から花形の職種に配属されることはありえない。各企業の入社案内、ホームページなどで、まずはどのような職種に配属されるかを確認しよう。初任配属地についての情報も重要だ。総合職で入社した場合、最初の勤務地は全国各地となる可能性がある。もちろん希望勤務地についてのヒアリングはある。だが、希望どおりになるとは限らないのは常識だ。“独り善がり”の判断は避けよう。「人事異動」(ジョブローテーション)についての考え方は、企業によって違う。何年に一度の割合で人事異動が行われるかについて、各企業の説明会(セミナー)で確認してほしい。
やみくもにプレエントリーしても意味はない。まずは、就職をするに当たって、「自分自身の絶対譲れないこだわり」を把握しておこう。自己の条件に合う企業へのプレエントリーを行うことが必要だ。単に数が多ければ良い、という次元の話ではない。
(2)「職種」への画一的なイメージから脱却せよ
たとえば文系の学生の初任配属先は、男女を問わず、営業系・販売系がほとんどといってよい。「職種別採用」を行っている企業以外は、暗黙の了解事項となっている事実を知ろう。そこで、「営業は苦手だ。向かない」という発想から脱け出すことが大切だ。要はどのような商品を、どのような対象に販売しているかを知ること。同一名称の職種でも、実際に行っている仕事内容は微妙に違う。具体的に1日のスケジュール、1週間のスケジュールなどを聞いてみることが何よりも重要だ。
(3)就職情報ナビは企業の広告集だ。オールマイティではないと知れ
なぜ企業の情報が無料で大学生に提供されるのかを知っておこう。その理由は企業が広告料金を各就職情報会社に支払っているから。広告料を支払ってまで「わが社の悪口を書いてくれ」などという企業は存在するはずもない。それこそ「わが社が最高!」というコピーのオンパレードだけを見ていても、真の企業情報収集とは言いがたい。各就職ナビはプレエントリーの手段、説明会への出席確認、そして企業のアウトラインを知ることなどに利用するべきだ。あるいはブンナビ(文化放送就職ナビ)のように業界内の企業を比較する機能を利用してもらいたい。
(4)真の企業情報収集は3段階で行う必要あり。見る→調べる→人に会う、という行動
したがって、就職ナビだけで見ていても、就職活動に進化はない。見た後で、第三者による「客観情報」を知る必要がある。新聞、経済紙、『就職四季報』、『会社四季報』などを利用し、企業研究に深みを加えていこう。そして、人に会うといった動きを大切に。会社説明会、OB・OG訪問と、当該企業の社員の話をできるだけ聞くようにしてもらいたい。今年度の就職戦線は、見る、調べる、人に会うといったことを「同時並行」で行っていかなければならない。これが早期化への対策となる。
(5)「社風」に共感する姿勢こそ大事
「社風」とは、その企業の社員一人ひとりの仕事に対する共通した考え方である。まさに、初任配属された職種での、「仕事の進め方、やり方」が自分に合っているか否かの確認こそ大切だ。「早期退職」などといった事態に陥らないためにも、人に会い、その仕事ぶりに「共感する」ことが必要不可欠だ。共感とは「私にもできるかも知れない」との心の持ちようといっても良いだろう。
(6)イメージ先行の企業選びは失敗の前兆
(1)〜(5)までのまとめは、「大手」「有名」「知っている」といった企業選びをしないでもらいたいとの切なる願いにつながる。イメージ先行こそ戒めるべき活動といってよい。また「好き」「身近」な企業選びは安易すぎる。志望動機において、「好きだから受け、入りたい」では、残念ながら小学生レベルである。配属される可能性の高い職種で、必要とされる力は何かを知り、その力があることを、具体例を挙げながら証明していくことが、書類選考突破のカギとなる。
(7)本当に「安定している企業」の内部は熾烈な競争が行われている。「安定」の定義を変えよう
未曾有の就職難時代において、「安定」している企業に入社したいという思いは否定しない。だが、大学生が使う「安定」の意味は、「楽だ。潰れない。日々『平穏無事』に過ごしたい」となる。今時、このような企業ならば、これからの「生存競争」に勝てるはずもない。キリンとサントリーの合併・提携交渉に着目せよ。真の安定を目指すためには、「厳しい。このままでは潰れてしまう。日々競争だ」といった思考が欠かせないのだ。
(8)入社後のあなたの姿を思い描こう
入社することだけを考えていてはダメ。むしろ、入社後を考えることこそ、他者とは違った、一味違う就職活動となる。3年後、5年後に「あなたはどのような社会人としての生活を送っているか」を絶えず意識しよう。
(9)「ナンバーワン」より「オンリーワン」を見つけよう
企業社会に偏差値は存在しない。そこにあるのは、独自の企業戦略で、生き残りをかけている各企業の「仕事値」といってよい。この「仕事値」への共感こそ、就職活動の本質だ。あなたにとっての「オンリーワン企業」を見つけることに全力を注いでほしい。
(10)就職活動に「ひとつの正解」は存在しない
マニュアル本などから得られる情報は、ひとつの真実である。だが、すべての人に当てはまる真実ではない。要はあなた自身が自分の眼で見て、体で感じたことこそが真実だということ。その意味では1000人いれば1000通りの真実が存在することになる。マニュアル本は読んでも構わない。だが、あくまでも参考程度にとどめておくこと。就職は受験と同じではない。○○点以上取ったら合格できる、といったものではないからだ。これまで持っていた「意識改革」こそ、失敗しない企業選びにつながる。「一歩前進」の心構えで、難局を乗り越えてもらいたい。
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
テーマ:社会問題 - ジャンル:ニュース
- 2009/11/20(金) 03:28:58|
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