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「中原裁判」判決は「医師流出の誘因に」−全医連が声明
【キャリアブレイン 2008/10/24】
小児科医中原利郎さんの過労自殺について、勤務先だった病院側の「安全配慮義務違反」を認めず、遺族ら原告の損害賠償請求を棄却した東京高裁の判決に対し、全国医師連盟(全医連、黒川衛代表)の執行部は、「『労働が過重であることの責任は、病院ではなく個人に帰す』という今回の判決では、急性期病院の労働環境が改善しない限り、医師が流出する誘因になると考える」との声明を発表した。
判決では、「過重な勤務、加えて、常勤医の減少などによって大きな心理的負荷を受け、これらを原因とした睡眠障害または睡眠不足の増悪とあいまって、うつ病を発症したというべき」などとし、東京地裁が否定した「過重な業務とうつ病との因果関係」を明確に認めた。しかし、病院側の「安全配慮義務違反」については、「過重な勤務であっても、病院側が、中原さんの疲労や心理的負荷などの過度の蓄積により、心身の健康を損なうことを具体的客観的に予見することはできなかった」などとした。
同執行部は、「医師の当直や時間外労働は、診療・治療を求めている患者さんがその場にいるという点で、その他の労働とは性質を異にする。医師の労働の特殊性についての理解が欠けており、医療安全への司法の社会的責任を軽視していると言わざるを得ない」と批判。その上で、医師の当直などの負担について、「勤務医師数には制約があり、(医師不足で)地域の求めに応じることができない状況となった現在でも、診療・治療の求めを拒んではならないとされる医師の立場では、労働量を制限することは困難」と指摘している。
また、医師の労働環境について、「急性期医療は、公共的インフラの一部でもあり、一医師が個人的裁量で労働量を調節できるような性質のものではなく、全国的に医師が不足している中、代務を頼める余裕はどこにもない。ほとんどの急性期病院で当直業務を行っている医師の労働環境は、労働基準法に違反しているのが現状で、本来なら、厚生労働省が全国規模で強力な是正措置を取ることが必要」と強調。さらに、「医療供給体制を維持することは行政の責任であり、医師個人の責任に帰すべきではない。(労基法に違反した)状況を放置するなら、基幹病院の勤務医をはじめとする救急医療に携わる医師の充足は困難になる」と訴えている。
テーマ:社会問題 - ジャンル:ニュース
- 2008/10/25(土) 00:01:56|
- 介護福祉/看護/医療関連
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